2024-07-01

外は暗く、病院の冷たい灯りの中で

1ヶ月もしないうちに、入退院を繰り返すようになってしまった。
ODやリストカット等の自傷行為でだった。
病院には知り合いもできて、
少し安心できる場所になってしまった。
安心できる場所が出来たのはいい事かも知れないが、
一時期は入院するために自傷行為をしたこともあった。
そして入院する度に増えていく、
診断名と薬、そして傷。
正直、その頃は生きていても死んでしまっても、
どっちでも良かった。
夜、自分の体を傷つけるための行為をして、
朝帰ってきて、大量の薬を飲んで寝て、
起きて仕事に行く。
ストレスで毎日、全身に蕁麻疹が出ていた。
逃げたかった。
どうでもよかったはずなのに拒む自分がいた。

2020年、秋。東京に出てきて保護してもらった。
すっかり薬物依存になってしまっていた私を、
止められる環境は病院だった。
何度も躓き、ODをしてしまっては、スタッフさんが病院に同行してくれた。会話が成り立つようになったのは最近なのではないか、と感じる。
生きていたいと思えるようになったのも。

今、私は環境や仕事、関わる人達、全てを変えて、
週1回の通院をしている。
今は入院が居心地のいい所にはなってない。
それでも、毎晩16錠の処方されている薬を飲んでいる。
毎日飲まないと、冷や汗、震え、焦燥感、眠れない、色々な離脱症状が出てくる。

私はたまにふと考えてしまう。

薬で生きているんだな。
薬がないと、どうなってしまうんだろう。

ICUにも、10回以上運ばれ胃洗浄もした。
腕は切りすぎて、
正直触っただけでは感覚はなくなった。
それでも毎日生かされている。

BONDに相談できて本当に良かった。
繋がれて本当に良かった。
命の恩人であり、私の家族。この言葉に尽きる。

それでも、たまに入院しなきゃ、死んでしまうのではないかなと思うぐらい、つらい時がある。救急の時間外に病院に行き、任意入院も繰り返した。

保護室がいちばん嫌いだ。
冷たくて閉鎖的で、余計に息が詰まる。
私の中の隠れている自分が暴走してしまう。
「いやだ!」
と、泣き叫ぶ。外は暗く病院の冷たい灯りの中で。

「もう二度と入院はしたくない。
自傷行為も全部やめて、安定したい」
と、毎回思う。
でも、そう上手くはいかないし、
何度も再入院を繰り返す。

そして今、私はこう思う。
小さな時から、頼り方や、甘え方を知っていれば、
もっと違う人生になったんじゃないかと。
でも、今更後悔したり恨んでも仕方ない。
毎日元気があって、
死にたいと考えない訳でもない。
それでも減った。
死にたいと思う時間は減った。
その分、悩む時間が増えた。
それは自分と向き合えている証拠なのかなと思う。

私は底つきを経験している。
薬物依存の施設にも、入寮した。
だからこそ言えるのかも知れないが、
本当に死にたくて苦しい時、
そんな時は一人だった。
その、たった一人、
自分のことは大事にしてあげて欲しい。
頼り方も、手探りでも、自分のペースで大丈夫。
全部の自分を受け止めて許してあげて欲しい。

今悩んでいたり、
苦しんでる子に少しでも元気になってほしい。
ずっと真っ暗じゃないはずだから。
少しでも気が抜けたり笑顔な時間が増えて欲しいな。
どうにかならないかな。
という気持ちから、私の物語を書きたくなった。
そして女の子たちに伝えたい言葉を最後に。

「ひとりひとり大切です。
これからも一緒に生きたいよ」

2024.7/1 ぷーすけ=文 / text by poohsuke
2001年生まれ、大阪で育つ。16歳の時にYouTubeでBONDプロジェクトを知り相談。
KEN=写真 /photography by KEN 
※写真はイメージです。本文の内容とは関係ありません。 photo is an image. They are not related to the content of the text.

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