2024-04-01

Sign -もちめる忘れない-

2022.12 橘ジュン=取材・文 / interview & text by Jun Tachibana KEN=写真 /photography by KEN Illustration by MARU AKARI
この記事は、VOICES vol.21 Sign の内容を一部web向けに再構成しています。内容に伴い、望月めるさんご家族の許可をいただいて掲載しています。

「全部全部全部なくなってほしい
もう汚いもの何も見たくない
このまま大好きって言ってくれてた子達に
どんどん嫌われて忘れられてくくらいなら
顔が綺麗なうちに消えて
みんなの記憶にしばらく残りたかった
欠点だらけの私に
幸せな思いを沢山させてくれてありがとう
ごめんね。」

SNS上に言葉を残し、20年の人生を駆け抜けた望月める。
現在は投稿は削除されているため、閲覧することはできない。
望月 める(もちづき める)は、日本のアイドル、ファッションモデル。アイドルグループ・モノクローンの元メンバー。
長野県出身。身長155 cm。愛称は、もちめる。
ミスiD2019 「きみがいる景色が、この世界〜夜〜」を受賞。2021年10月15日、2020年夏に望月のセルフプロデュースで撮影されたメモリアル写真集「mell」が講談社より発売された。
一度、企画を中止していたものだったが、める本人の「絶対出してね(加工して)」という熱望から、遺族との相談の上で刊行された。発売発表時にはめるの祖母からのコメントも発表されたことで話題にもなった。

めるが眠る場所で彼女の父親と祖母に会い、
話を聞くことができた。

「めるは死にたかったわけではない。消えたいけど生きたかったと思う。亡くなる数日前にダンスのレッスンに通おうとしていたり、医療への受診予約をしていた。きっと力が途切れたんだと思う。小さい時から気にしないってことができない子だった。苦しいことも我慢していれば良くなるといっても今が苦しかったら苦しい、そんな子だった。」

めるの父親の言葉を聞きながら、
たくさんの女の子たちの顔が浮かんだ。

bond projectでは、死にたい、消えたい、生きたいという気持ちで揺れ動く危うい10代、20代の女の子たちの話を毎日のように聞かせてもらっている。サインに気づき、声を聞いて、女の子たちの現状を伝えて、一緒に考えて、必要な支援者へと繋ぐ「動く相談窓口」として活動している。
彼女たちのじっくり話を聞かせてもらうと、自分の生きづらさや状況をうまく伝えることができず、誰に助けを求めたらいいのかもわからないまま、孤立してしまう現状がある。毎日を生き抜くのが精いっぱいだと、メンタルケアや支援等の情報を自ら探し、キャッチする余裕はなくなってしまう。
既存の支援だけでは不十分となると、こちらから手を差し伸べる必要がある。そのため、彼女たちのSOSに気づけるよう、bondは街頭やネットでのアウトリーチ活動に力を入れており、これまでもたくさんの女の子たちが繋がってくれている。

ネット上には、こんな声が漂う。
「死にたいまま生きてるって辛すぎる
早く安楽死させて」

「こんなタグがある時点で日本終わってるよね。
私も死にたいけど一人じゃ死ねないです
#死にたい人とつながりたい」

「今までネットでさえ自分をさらけ出さなかった20年間でしたが 生まれて初めてこういうアカウント作りました
#死にたい #死にたい人と繋がりたい 」

「生きる意味って何? #死にたい」

「誰もわかってくれない。」

「リアルで死にたいとか誰にも言ったことない。ここでしか言えない。私が死んだら気付いてあげられなくてごめんね、話してくれればよかったのに、とか言うのかな。
こっちは気付かれないように取り繕ってんだからさ。
#死にたい」

「寂しいよ。。 今コロナで誰も面会出来ないし、、死にたいリスカしたいodしたい 病院いたら何一つできなくてむり」

「学校行きたくない 保健室も自習室も全部嫌い 死にたい」

「きっとどこかに死にたくないって思ってる自分もいるからなんとか生きてる」

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