あなたの「声」を聞かせてくれてありがとう。
ここからは、話を聞いた側として感じたこと、教わったことをつづっていこうと思う。
「だれ?なに?」
偶然知り合うことになったけど、初対面の時、警戒心のバリアがすごかった。
とても落ち着いた雰囲気で、しっかりした若者というのが第一印象だった。
これまでの半生と、その時の気持ちを少しずつ話してくれるようになって、あなたの「心の叫び」にも少し触れた気がする。
子どもの頃にせっかく助けを求めてくれたのに、大人が受け止められず、大きな失望感につながったと思う。
せめてこれからは、子どもや若者が発する「助けて」にちゃんと気づけて、ちゃんと受け止められる社会にしなきゃって。
そんな風に思わせてもらった。ありがとう。
あと、自分の家を居場所と感じられない若者たちが周りにいることも教えてくれたね。
その子たちの「死にたい」っていう話を何時間も聞いたり、朝までそばで過ごしてあげたりすることもあった。
他人への思いやりと、人生の苦しさの両方を同時に抱いているように映って、無理はしすぎないでねって伝えたい。
しんどいことが多い中、あなたは今、仕事も含めて新しいことにいくつか挑戦してる。
全部うまくやるなんて、きっと誰にもできないと思うから一つでもできればOKな気がする。
そうやって挑戦できてること自体が、「できたこと」って言ったら無理があるかな。でも、そう思うんだ。
どうしても「できたこと」より、「できないこと」の方を数えちゃう。私はダメだって、あなたはよく口にするけど、最近は「これができた」って言うようになってきた。
良かったね、こっちまでうれしい。
そうやって、できることを実感できたら、少しずつ自分に自信を持てるようになるのかも知れない。
そうなったらいいなって願っているよ。
これまで他の女の子からも話を聞かせてもらった。
状況は人それぞれ。
親はいるけど……っていう子もいるし、施設で育って親との縁が切れてる子もいた。
支援者に「家族でもないくせに!」って泣き叫んで、その後、自傷行為をしている子もいた。
年齢も住んでる地域もバラバラ。みんなそれぞれ色々ある。
あえて共通するものを1つ挙げるとしたら、「心の涙」を流していることかも知れない。
普段は自分の痛みを色んな人に話すわけじゃない。けれど、実際は心の中で泣いてるような。そんなイメージ。自分の居場所や、
誰かとのつながりを求めてもいる。
彼女たちの痛みは、本人が原因じゃないと思う。要因になったのは、例えば親やほかの大人だったりする。
人生って色んな日があるね。
スキップしたくなるような日も、ベッドから起き上がれない日も。
24時間365日、幸せってわけにはいかないけれど、たまに訪れる「幸せな瞬間」を感じられるといいね。一つでも多く。
人とのつながりは、あなたを傷つけることもあるけど、あなたを励ますこともある。
あなたが死にたいと思った時、
心を寄せてくれた人たちがいたよね。
ピンチの時、手を差し伸べる人たちがあなたにはいる。
無理はせず、ほどほどに。
1日1日を積み重ねて、生きていてほしい。
取材・文 = こんぺいとう / konpeito
ライター。若年女性を全国各地で取材。メディアで発信している。
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